航海士は旅にでる

新しい旅人の在り方『航海士×旅』を提唱する男

極地冒険家荻田泰永のノンフィクション作品『北極男』の感想

内容紹介
大学を中退し、突然冒険を思い立って行っすた先が北極! それ以来13年間に12回も北極冒険を繰り返し、海外といえば北極しかしらない男が目指すのは、日本人初の「単独無補給徒歩」での北極点到達だった! 前人未到の秘境の謎に切り込むノンフィクションでも、危険でスリルに満ちた冒険譚でもない、ひたすら地味で等身大な行程に身を捧げた、未熟でフツーな日本人(本人談)による極北の旅の記録!(解説・角幡唯介)。

日本唯一の北極冒険家荻田泰永さんをご存知でしょうか? TBS「クレイジージャーニー」を始めとする多くのメディア注目されている冒険家です。まだ人類で2人しか成功していない「北極点無補給単独徒歩」に挑戦している方です。

この『北極男』は荻田さんの12回に行った北極冒険について書かれているのだが、ノンフィクション作品として面白かったので読みどころをまとめてみた。

北極男の読みどころ 1 非日常

僕は『北極男』を読むまで、荻田さんと出会うまで北極での日常を想像したことがなかった。想像したことがないというよりか想像が出来なかったのだが、この本を読み進めていくうちに北極での日常がだんだんと知ることができ、深くのめり込んでしまった。

北極でのシロクマとの遭遇。

発酵した鳥の内臓を肛門から啜って食べるイヌイットの食べ物キビヤ。

冒険の予算。

極地冒険家の日常は僕の日常とかけ離れており、北極での何気ない日常ですらも興味をそそるものばかりだった。

北極や冒険家と無縁の方でも、本書1冊で北極の日常、極地冒険とはどのようなものかわかる内容であり、見所である。

北極男の読みどころ 2 荻田泰永さんの考えを知ることができる

その頃の僕は、自分には何かスゴいことができるはずだという根拠のない自信を持て余しながら、そのくせ何もしたことがない若者だった。今の人生を変えるためには「何か」が必要な気がしてたが、それが何かわからず、とにかく何かしなくてはいけないという焦燥感と脅迫感を抱えながら日々を送っていた。

(北極男より引用)

この一節を読んだ時、まるで今の自分を表しているようでドキッとした。それと荻田さんが僕と同じことを若い時に感じていたことが妙に嬉しかった。

『北極男』では、極地冒険家になる前の荻田さんについても記されており、荻田さんと北極との出会い、その時の心情がわかる。


最初の冒険は、何かをしないといけないというを気持ちを抱えている時に、たまたまテレビ番組で見た大場満郎さんと出会いがきっかけである。

2回目の冒険は、初めての北極冒険を経て日常の生活に戻って行く自分自身に疑問を感じている荻田さんを知ることができる。

河野兵市さんというベテラン冒険家の死により、北極を一人で歩く意味を再確認したり、些細なミスが原因で起きた火傷によって挫折を味わったり冒険を通して起きた出来事に対しての荻田さんの心情が本を通してわかった。

荻田さんの冒険に対しての考え、北極に対しての考え、まるで対話してるみたいに彼の頭の中が少しだけわかるのだ。

なぜ北極を目指すか?という理由には年々変わっているのでそこに注目しながら読むと面白い。

北極男読みどころ 3 冒険はまだ続いている

2017年11月10日
『南極点無補給単独徒歩』への挑戦が始まります

SOUTH POLE - 北極冒険家荻田泰永ウェブページ

今まで北極冒険18年、新しいフィールドとして『南極点』を目指す荻田泰永さんの冒険が始まる。成功すれば、日本人初の南極点無補給単独徒歩到達。

荻田さんは今も極地冒険に挑戦しています。様々な出来事、挫折を乗り越えひたむきに冒険に挑戦する姿は人々の心を惹きつける。

このブログでは荻田泰永さんの挑戦を応援します。

極地冒険家の荻田泰永さん『南極お悩み相談』始まる - 航海士は旅にでる

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